葛西 薫

緑の色調が美しい。立体感に富んだうねった地形の肌合いは大きな動物の背中を思わせて、その体に止まっている虫のような3頭のエゾシカに否応なく目が吸い込まれる。大ロングに深度の浅さがとても効果を発揮していて、絵画のような写真。

辻 佐織

ミクロにもマクロにも見える作品で、まさか・・・と目を凝らすと小さく鹿の親子が長閑に緑に埋もれている。室蘭の大自然の切り取り方が新鮮。

山口 一彦

鹿の写真はよく観るが、この写真は風景を大きく取り入れ周りをぼかし、鹿を小さくみせた。まるでジオラマのような写真表現をしたことが良かった。鹿ががいることでミニチア感が出ているし風景も人工的に作ったものみたいに感じる。狙って撮影したとしたら素晴らしい。

浅田 政志

壮大なイメージで、室蘭の良さが滲み出ている一枚です。ミニチュアぽくして撮影しているのも成功していますね。壮大な自然、ミニチュア、両極端な二つの要素が同居している写真なので、ずっと見ていても飽きないです。準大賞おめでとうございます！

田村 広司

本城直季さんの写真集『small planet』で火がついたジオラマ写真ですが、案外撮影場所の選定や角度調整が難しいんですよね。 中央のピントがあった部分に鹿を配置、緑の大地は被写界深度が徐々に浅くなるよう計算し、うまく仕上げている。構図含めた絵作りに、作者のデザインセンスを感じます。

この絵のようなシ―ンは鹿三匹が移動する様子を示し、鹿の足跡で飾られた室蘭にある緑豊かな丘を美しく表現しており、童話の一場面のように表現したいという思いから、ミニチュアカメラ設定を使用して撮影されました。この受賞は私にとって大変光栄なことであり、感謝の気持ちでいっぱいです。

葛西 薫

闇に光るオレンジ色の船のライト、ずらっと並んだクルマの色違いのヘッドライト群、若者たちのシルエットが重なって、ドラマの1シーンのようだ。おそらく演出と思うが、偶然を捉えたワンショットにも見えて、印象的な写真だ。

辻 佐織

膨張したヘッドライトのカラーの演出が、PVなどの始まりのようなワクワク感を演出。このままムービーだったらどんな動きになっていただろう。室蘭の若者たちの息吹を感じさせる瑞々しい作品。

山口 一彦

埠頭に横付けの船、ライトをつけ車が横に並び、人物が車を見ているシルエット。まるで映画のワンシーンを思わせる。演出なのかスナップなのかよくわからないが、人物の立ち方は演出ではなかなかできない。これぞ「室蘭グラフティー」ロックンロールが聞こえてきそうな写真である。

浅田 政志

これまでの撮りフェスに無かったイメージで、新しい風を感じました。車のヘッドライトに照らされて、シルエットで浮かび上がる若者をとてもカッコ良く撮っていますね。見れば見るほど、味わいが出てくる一枚です！次回もぜひご応募下さいね！

田村 広司

撮りフェス開催日に、偶然室蘭港に入港していた訓練支援艦「くろべ」と、集まった車愛好家。ヘッドライトのカラーリングと人物の絶妙な配置、雨上がりの地面など、この日にしか撮れない「条件」が見事に揃いました。運を引き寄せ、それを逃さない確かな技術。作品に昇華できたのは作者の実力があってこそ。

母と友人とたまたま訪れたフェリー埠頭で目にした偶然の光景がアルマゲドンを想起させました。ただただ自分の思うままにぎりぎりまで粘って地元室蘭を撮り続けた24時間は本当に楽しかったです。受賞のご連絡を頂いた時はとても驚きましたが嬉しかったです。本当にありがとうございました。